2024.06.29
気づく時は何かを失った時。
気づく時は何かを失った時。何かをきっかけに知ることは多くありますよね。
デザインオフィスの宮沢です。(写真:向かって右側)
デザインオフィスで働き始めて早7年が過ぎようとしています。過去、アパレルブランド3社で働いてきましたが、現職が最長になります。
今の仕事は惰性で行うことがなく、より良くしていこうという想いが強くあります。それだけドレスというものは花嫁さんにとっても、私たち作る側にとっても特別な存在です。ただ豪華にするだけではなく、欧米のトレンドを追いかけるだけが全てではなく、もっとかけがえのない何か大切なものが込められているのだと思います。それは何でしょうか。
今、私が注目しているのは自分たちが育った文化です。その中でも土地の恵みを活かし、日常で生まれた美です。私たちの日常から生まれた文化は昔から多種多様で、現代に至ってはもっと大切に受け継がれるべきだと思っています。懐古主義ではなく、大切に受け継がれているものを見て知り、伝えることは非常に重要だと認識しています。
青森県の裂織り技術を応用して婚礼に相応しい素材を青森の職人さんに織っていただきました。破棄される予定だった白無垢の裏地を裂き、横糸としてループ状に編むことで実現しています。
米沢のシルク工場もとても印象的でした。光が差し込む工場の光景は、一つ一つに温もりがあり、命が宿っているようでした。
職人さんでも気づかなかった日々の美しい光景に感銘を受けて、私たちはこの姿を多くの人に伝えたく映像にしています。ぜひ、下記リンクよりご視聴ください。 動画リンク
昨年訪れた沖縄では、独自の文化が色濃く残っていて、町や島ごとに異なる工芸品が昔と同じように人の手によって生産されています。もととなる繊維の栽培から織り上がるまで3年かかる芭蕉布は、なんとも繊細で素朴な風合いが美しく、今ではとても貴重な品として認識されています。一度途絶えてしまった芭蕉布の文化を戦後、平良敏子さんを中心に復活させました。その後、人間国宝となり多くの後継者に影響を与えました。
石垣島の宮古上布は琉球王国時代、韓国との交易から生まれました。現存する技術は一人の女性が中心となり、歴史的文献の調査と復元から始まり、地元の素材から生み出した美しい色彩は癒やしがあります。その職人が作る藍染には泡盛が使われ、自然発酵されます。美しい藍色は最初、緑色をしていると聞いて驚きました。
私がいつか作りたいと思うドレスは、素材から完成まで作り手の愛情が籠ったドレスです。近所の人たちが心を込めて織った生地と、顔見知りが仕立てたようなシンプルなドレスです。祝いの日を大切にしたいという素朴な想いが寄り集まって出来た祝いの場に合うドレスです。多分、そこに本質があるのだと思います。遥か昔から行われてきた愛を知るという一つの節目がドレスを通して語り継がれているのだと思います。日常の美しさに気づくとき、その尊さが理解できるのだと思います。
長文になりましたが、ご一読くださりありがとうございます。
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