2021.07.03
クリエイティビティーが発揮される時
リクルートブログをご覧下さり、ありがとうございます。
デザインオフィスの宮沢です。(右側)
ドレスや洋服のデザインをしていると、人に直接会う行為は必要だなと実感する場面があります。
コロナ収束後でも在宅勤務、リモートワークを推奨する会社もあれば、推奨しない企業もあり、その判断には会社やオーナーの個性があって興味があります。
対面でこそクリエイティビティーが発揮されるのは事実だと思います。
私的には場所を問わないリモートと出勤のハイブリット型がちょうどよいかなと考えています。時間を自由に使えることができれば日本中、世界中どこでも仕事ができ、同僚やクライアントとも会えるし、自分の能力を最大限に活かせると考えています。
素材感、色彩、プロポーションを画面を通して把握することは今の一般的なハイテク技術ではまだ難しいのが現実です。
素材は組織感(見栄え)、手触りの感触、手に持ったときの微妙な重さと張り感、総合的な判断が商品の仕上がりに影響します。見た目が同じような重さの素材はgm/㎡で目付けを確認し、デリバリーされる季節に合わせて適切な目付けと機能がある素材を選びます。その生地を肌に乗せると暖かく感じるか、清涼感があるのか、張り付くのか、サラサラしているのか、感触についても商品を構成する上で重要な作業になります。
色、これもまた奥が深い世界です。
同じ色でも太陽の下、蛍光灯の下、暖色系のライトの下など環境によって色の見え方が変わります。
国(環境や人種)によっても色の見え方は異なり、人それぞれ差異があります。
単純な黒でも素材によって異なります。艶系、マットな黒。赤系、青系、黄色系の黒など。
タキシードで使われるフォーマルブラックはとても濃度が濃く、特別な工程を経てあの深い黒を表現しています。例えば、その黒の色差や質感を写真やビデオで確認するのは難しい作業です。
刺繍やレースはウェディングドレスで重要な素材の一つです。収集の配置や大きさなどを見本を確認しながら細かく決めて進めます。
そして、フィッティング。
洋服やドレスをモデルに着せてシルエットやディテール、色、素材の適正具合を確認します。
フィッティングの最中、デザイナーは総合的な判断を行い、パタンナーは構造、生産はコストや生産性を確認、MDはマーケット的な判断等、モデルは着用感を私達に伝えてくれます。
会社にもよりますが、フィッティングを行うときは最低でも6人以上で行う会社が多いかと思います。
フィッティングの雰囲気は会社ごとに様々です。緊張感があり、もっとも面白く熱量が多い時間であることは共通しています。
ここでの決定で製品の運命が決まるので、各担当者は積極的に意見を交わします。
そして、お互いの感情が入り交じり科学反応がおきる場所でもあります。
新しい発想もこの時間で生まれることが沢山あります。クリエイティビティーが発揮され、誕生する時間です。
私が服飾学校を卒業後に入社した会社ではファッションショーの準備期間中、最終フィッティングの時間に全身が蕁麻疹だらけになったことを覚えています。
新人が参加できただけでも有り難いのですが、緊張していたようです。
コロナが収束し、世界中から集めたものや人との関わりで生まれた素敵なアイディアを心置きなく楽しめる日、そして安全な日々を一日も早く迎えられる事を願っています。
最後までご一読くださり、有り難うございました。引き続き、皆様もお気をつけください。
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